最近、日本年金機構を装った不審なメールが複数届くようになりました。
今回届いたメールは、国民年金保険料の過払いを理由に23,840円を返金すると案内するものや、年金の振込口座に不備があるとして確認を求めるものです。
一見すると日本年金機構からの正式な通知のように見えますが、差出人のメールアドレスやリンク先には不審な点があり、いずれも偽メールと考えられます。
この記事では、実際に届いた4通のメールを紹介しながら、共通する特徴や注意すべきポイントを解説します。
日本年金機構を装った迷惑メールが4通届いた
今回確認したメールは全部で4通です。
内容は大きく分けて、次の2種類でした。
- 国民年金保険料の過払いを装い、23,840円の還付金を受け取るよう促すメール
- 年金の振込口座に不備があるとして、口座情報の再確認を求めるメール
いずれのメールも日本年金機構を名乗っていますが、差出人のメールアドレスには公式とは無関係のドメインが使われています。
また、4通すべてに不審な添付ファイルが付いていました。
1通目:国民年金保険料23,840円の過払いを装ったメール
差出人: 【構機金年 本日】no-reply@ours.cyskl.com
件名: 【重要】年金保険料の過払い金をお返しいたします

本文では、国民年金保険料の納付状況を確認した結果、一部の月で保険料を多く支払っていたことが判明したと説明されています。
返金される金額として記載されているのは、23,840円です。
対象期間は「令和6年4月~7月分」とされており、届け出済みの口座に振り込むと案内されています。
さらに、令和9年1月31日(土)を手続き期限として設定し、期限を過ぎると返金を受け取れなくなるとしています。
メール内には「お戻し金の受取手続きへ」というリンクが設置されていました。
添付ファイル: dFlkfi.gazh(33バイト)
2通目:保険料の過剰納付による還付を装ったメール
差出人: 【構 機金年 本 日】no-reply@past.kzlrc.com
件名: 【重要通知】保険料の過剰納付に関する還付のお知らせ

こちらも国民年金保険料を多く納めていたとして、還付手続きを促すメールです。
還付金額は1通目と同じ23,840円で、対象期間も令和6年4月~7月分となっています。
手続き期限も令和9年1月31日とされており、1通目とほぼ同じ内容です。
ただし、こちらのメールでは「日本年金機構アプリ」の利用を案内しています。
すでにアプリを持っている場合はメッセージボックスから手続きを行い、持っていない場合はメール内のボタンから手続きをするよう促しています。
添付ファイル: xXOOzrR.ir(36バイト)
3通目:年金の振込口座に不備があるとするメール
差出人: 【せら知お構 機金年】noreply@four.cqphk.com
件名: 【年金機構】年金受取口座のご登録内容をご確認ください

3通目は、これまでの還付金を装ったメールとは少し内容が異なります。
届出済みの年金受取口座と金融機関の最新データを比較したところ、一致しない部分が見つかったと説明されています。
そのまま修正しなければ、次回以降の年金振込が遅れる可能性があるとして、口座情報の再確認を求めています。
確認事項として挙げられているのは、次の3点です。
- 口座名義人情報と金融機関の記録
- 金融機関の統合に伴う店舗番号の変更
- 口座の有効性
さらに、次回振込予定日として令和8年12月15日を記載し、間に合えば問題なく年金を受け取れると説明しています。
こちらも「日本年金機構アプリ」のメッセージボックスから手続きをするよう案内されており、メール内のリンクからアプリを利用するよう誘導しています。
添付ファイル: yjMCfEP.ii(15バイト)
4通目:国民年金保険料の過納額返金を装ったメール
差出人: 【構 機金年本 日】no-reply@label.rvrpj.com
件名: 【重要】過納額のお返しについてのご案内

4通目も、国民年金保険料を多く支払っていたとして返金を案内するメールです。
記載されている金額は23,840円で、対象期間も令和6年4月~7月分となっています。
手続き期限も令和9年1月31日とされており、1通目・2通目と同じ内容です。
こちらも日本年金機構アプリを使った手続きを案内しており、メール内のリンクから返金手続きに進むよう促しています。
添付ファイル: XK5ezS.cuzt(22バイト)
4通のメールに共通する怪しい特徴
今回届いた4通のメールを比較すると、いくつかの共通点が見つかりました。
差出人のメールアドレスが公式ドメインではない
4通の差出人アドレスは、すべて異なるドメインが使われています。
ours.cyskl.compast.kzlrc.comfour.cqphk.comlabel.rvrpj.com
日本年金機構の公式サイトでは、同機構から送信するメールのアドレスは原則として「nenkin.go.jp」のドメインであると案内しています。
今回のメールは、いずれも公式ドメインとは無関係です。
差出人名や件名の違和感
今回届いたメールは、差出人名や件名の文字が逆向きに表示されていたり不自然な空白が含まれていました。
実際にメールのソースを確認したところ、文字の表示方向を操作するUnicode制御文字が含まれていることが分かりました。
そのため、環境によって表示が異なり、差出人の一部文字がPCのThunderbirdでは逆向きに見える一方、iPhoneのYahoo!メールでは通常の順序で表示されました。


一見すると単なる文字化けや表示上の不具合にも見えますが、差出人名に不自然な特殊文字が含まれている点にも注意が必要です。
還付金額や対象期間が完全に一致している
1通目・2通目・4通目は、表現こそ少し異なりますが、次の内容がすべて一致しています。
- 還付金額:23,840円
- 対象期間:令和6年4月~7月分
- 手続き期限:令和9年1月31日
異なるメールアドレスから届いているにもかかわらず、金額や対象期間まで同じなのは不自然です。
また、3通目だけは還付金ではなく、年金の振込口座に問題があるとして確認を促しています。
日本年金機構アプリへの誘導がある
2通目・3通目・4通目では、日本年金機構アプリを使った手続きを案内しています。
アプリを持っていない場合は、メール内のボタンから手続きをするよう促している点も共通しています。
しかし、日本年金機構は公式サイトで、専用アプリのインストールを促すようなメールは送っていないと注意喚起しています。
メール内のリンクからアプリをインストールしたり、個人情報を入力したりしないようにしましょう。
不審な添付ファイルが付いている
今回の4通には、すべて添付ファイルがありました。
| メール | 添付ファイル | サイズ |
|---|---|---|
| 1通目 | dFlkfi.gazh | 33バイト |
| 2通目 | xXOOzrR.ir | 36バイト |
| 3通目 | yjMCfEP.ii | 15バイト |
| 4通目 | XK5ezS.cuzt | 22バイト |
いずれも見慣れない拡張子のファイルです。
ファイルサイズが小さいからといって安全とは限りません。身に覚えのない添付ファイルは開かず、ダウンロードもしないようにしてください。
手続き期限の曜日が間違っている
細かい部分ですが、日付と曜日にも不一致がありました。
1通目・2通目・4通目には「令和9年1月31日(土)」と記載されています。
しかし、2027年1月31日は日曜日です。
また、3通目に記載された「令和8年12月15日(月)」も、実際には火曜日です。
公式通知のような形式をしていますが、こうした基本的な間違いも不審な点の一つです。
日本年金機構も同様の迷惑メールについて注意喚起している
今回のメールについて調べてみると、日本年金機構の公式サイトでも、同じような手口への注意喚起が掲載されていました。
公式ページでは、次のような不審なメールが紹介されています。
- 年金の残金や保険料の返金を名目に、口座番号などの情報を聞き出そうとするメール
- 年金関連の手続きに必要だとして、専用アプリのインストールを促すメール
- 期限までに手続きをしないと年金が無効・支給停止になると不安をあおるメール
特に、専用アプリのインストールを促すメールについては、日本年金機構から送っていないと明記されています。
今回届いたメールも、保険料の還付や口座確認を理由にアプリへ誘導しているため、公式サイトが注意喚起している手口と一致しています。
公式情報はこちらです。
日本年金機構:日本年金機構を装った不審なメール・SMSにご注意ください
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/gochui/20200609.html
日本年金機構を装ったメールが届いたときの対処法
今回のようなメールが届いても、記載されているリンクや添付ファイルには触れないようにしましょう。
特に注意したいのは次の点です。
- メール内のリンクをクリックしない
- 添付ファイルを開かない
- アプリをインストールしない
- 口座番号や氏名などの個人情報を入力しない
- メールに記載された電話番号へ連絡しない
年金に関する手続きが本当に必要なのか気になる場合は、メール内のリンクや電話番号ではなく、日本年金機構の公式サイトから確認してください。
公式サイト:https://www.nenkin.go.jp/
また、不審なメールを受信した場合は、日本年金機構の公式サイトにある問い合わせ窓口から情報提供することもできます。
まとめ
今回は、日本年金機構を装った迷惑メールを4通紹介しました。
23,840円の保険料還付を装ったものが3通、年金の振込口座確認を装ったものが1通です。
いずれも異なるメールアドレスから届いていましたが、還付金額や対象期間、手続き期限などが一致していました。
さらに、4通すべてに不審な添付ファイルがあり、複数のメールでは日本年金機構アプリへの誘導も確認できました。
日本年金機構も同様の手口について公式に注意喚起しています。
年金や還付金に関するメールが届いても、すぐにリンクを開いたり、添付ファイルを実行したりせず、まずは公式サイトで情報を確認するようにしましょう。

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